建築物探訪ブログ

旅行先で訪れた著名な建築物を紹介するブログです。

町で見つけた建築 5

今回の建築は真っ黒です。黒一色。そこに大きさの異なる窓がポツポツと開けられています。

 

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2階以上の部分がキャンティレバーとなって前面にせり出しており、立方体のキューブが浮き上がっているような感覚。非常に閉じられている建築という印象で必要な箇所に必要な最小限の開口といったように感じます。

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開口のないまっさらな立方体に窓を穿つことで光を取り込み、空気を取り込み、人が生活をできうる空間とする、建築家の原広司氏は、「建築的行為は、閉じた空間を穿孔することにある」と述べています。「閉じた空間」に必要な開口を穿ち、必要な空間をつくる、この建物は原氏が述べるような初源的な建築プロセスによってつくられた空間のように感じられるのです。