仙台市科学館
不図、訪れたい場所が思い浮かび、地下鉄に揺られながら向かうのは仙台市科学館。昔、両親に連れられ足繁く…とまでは行きませんがよく連れてもらったのは、小学生の頃。もう15年は経とうとする頃でしょうか。
話は変わり、改めてこの仙台市科学館の建物を見ると非常に興味深いものと感じられます。
一部がフレームが剥き出しとなっていたり、外観にブレースが見えるメカニカルな姿は、「ハイテク」建築と言えると思います。「ハイテク」の建築とは、建築の骨組みや設備などのシステムを外面に露出させ、機械的な外観の建築を目指したものです。代表作としては、レンゾ・ピアノ、リチャード・ロジャースによるフランス、パリのポンピドゥ・センターがあります。仙台市科学館はポンピドゥ・センターと比べてしまうとメカニカル具合は低いように思われます…(ノーマン・フォスターによる御茶ノ水のセンチュリー・タワーが近いように思われます)
ファサードは、巨大なブレースが組み込まれており、この建物のデザインの主体となっています。また3階部分の窓はガラスブロックによる仕上げになっています。
内部においても、配管やダクトが露出し、メカニカルな雰囲気に。巨大なガラスはトラスによって支えられています。
この仙台市科学館は台原森林公園という大緑地の端に位置しており、木立から機械的な外観が伺えるなど、対照的な姿を楽しむことができます。また、台原森林公園へのアプローチは螺旋状の斜路、その上には鉄骨のフレームと不思議な空間となっています。
以前掲載した仙台市博物館は石張りによるマッシヴな形態が特徴的でした。仙台の街の「知」を司る施設で歴史的、民俗学的な博物館、そしてこの科学館と雰囲気を全く異にするといったことは非常に面白く思います。
設計: 久米設計