竜王駅・南北駅前広場
山梨県甲斐市の竜王駅は著名な建築家が設計したとの話を聞き、いざ竜王駅へ
駅の設計は安藤忠雄氏。国立競技場コンペティションの審査委員長を務め、渦中にあった人物ですが、表参道ヒルズを設計し、建築界のノーベル賞であるプリツカー賞を受賞しています。
駅へ向かっていると巨大な屋根が姿を表します。
この大屋根は各辺を接合させた不等辺三角形が数多く集合した多面体で、まるで折り目をつけた紙を載せたような姿をしており、駅前広場、ロータリーを内包する巨大なものです。
この駅舎が立地する甲斐市は富士山、八ヶ岳、甲斐駒ケ岳、南アルプスを一望でき、市内を流れる釜無川は、武田信玄が治水工事として築いた信玄堤があり、また、北部には水晶を多く産出した昇仙峡があります。
この駅のデザインは、信玄堤の「聖牛」と呼ばれる丸太によって作られた三角錐の幾何学的形態、水晶の鉱物的特色、南北の地域をつなぎとめる「かすがい」をイメージしているとのこと。また、大屋根の起伏に富んだ形状は、自然に富んだ山梨の風景を連想させます。この建築はこの山梨の地を抽象化したものと言えるでしょう。