建築物探訪ブログ

旅行先で訪れた著名な建築物を紹介するブログです。

豊田市美術館

せっかく名古屋までに来たのだから、あれも、これも、あとこれも見ていこう。

 

貧乏性な私は、何かの折に用事ややりたいことをいっぺんに済ましてしまおうという質なのですが、その綿密な計画はまず、うまくいってはくれないものです。

 

いつか訪れたいと思い焦がれ、とうとうこの日が来たと思ったら、美術館はまさかの休館期間。まあ、この日は天気も良く、写真を撮るには絶好の日だ、とか、またこの豊田の地に訪れる口実ができた、とか自分を慰めながら敷地周りを見て回ります。

 

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この美術館は、休館日が休日、祝日の次の日といった具合では無く、展示品の入れ替え作業などで年に何回か、2〜3週間休館日を設けるといった特殊なスケジュールとなっていました。またの機会はしっかりと確認しなければと思います。

 

設計は谷口吉生氏。金属やガラス、コンクリートに石材といった材料を巧みに操り、繊細な直線によって描き出される空間に魅了され、酒田市土門拳記念館、東京の法隆寺宝物館、京都の国立博物館に足を運んだものでした。

 

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この美術館が建つ場所は、かつて城があり、豊田市を見下ろす小高い丘になっています。その為、事務室や搬入口のレベル、来館者のための正面入り口のレベル、庭園のあるレベルとそれぞれ高さが異なっています。

 

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建物の中央に位置するガラスで覆われた白い構造体は常設展示室で、夜になると光の箱になって辺りを照らし出すとのこと。夕刻の薄明の中に浮かびやがる白いガラス空間を想像すると次に訪れる時がさらに待ち遠しくなります。

 

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庭園の設計はアメリカのランドスケープデザイナーのピーター・ウォーカー氏との協働。自然に対して異物であるはずの直線によるボリュームが違和感なく、互いを強調し、美しい空間を生み出すように作庭が行われています。

 

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今回の来訪は休館日であったことによる落胆より、次回また訪れる時への湧き上がる思いが大きいものでした。また、この場所を訪れ、またもう一度文章に綴ることができたらと思います。