竹駒神社
竹駒神社は、宮城県岩沼市にある稲荷神社なのですが、この日は神社で調査があるとの話があり、その様子を見学させてもらうために訪れたのでした。
まず、竹駒神社について。竹駒神社は日本三大稲荷の一つとされ、衣・食・住の守護神とされる、
・倉稲魂神(うかのみたまのかみ)
・保食神(うけもちのかみ)
・稚産霊神(わくむすびのかみ)
の三柱の神を祀っています。
創建は承和9年(842)で小野篁(おののたかむら)が陸奥守に着任の際、東北開拓、産業開発の大神として創建され、古くから多くの人々の信仰を集めてきました。
今回見たかったものの一つに竹駒神社唐門があります。この唐門はつい先日宮城県指定有形文化財に登録されたばかりです。天保13年(1842)の建築で中央の鳳凰の彫刻は目を見張るものとなっています。羽の一枚一枚、螺旋を描くような尻尾などその立体的な造形に裏付けられた卓越した装飾技術には感心させられます。鳳凰以外の装飾も職人の創意工夫が見られます。
次に、この建物、馬事博物館は通常、開館しておらず、祭りなど有事の時に開館されるそうです。特徴としては、屋根周りには寺社建築の仕上げ、居室となる部分には洋風としていることです。これは、昭和初期の鉄筋コンクリートの建物に日本趣味的仕上げとした「帝冠様式」に近しいものであると言えます。
腰壁は、秋保石…大谷石でしょうか、凝灰岩が用いられ、壁にはスクラッチタイル、屋根は銅板葺と茶色を基調とし、屋根には緑青と非常に落ち着いた色合いになっています。
この建物が建てられた当事は、日中戦争の最中でコンペにおいても「日本趣味を基調とする東洋式とする」との文言があり、国粋主義からなる様式がこの建物にも反映されたのでしょう。非常に面白いものを見させてもらいました。