建築物探訪ブログ

旅行先で訪れた著名な建築物を紹介するブログです。

鶴舞公園/奏楽堂

前回に続いて、鶴舞公園の主要施設であった奏楽堂について紹介します。

 

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奏楽堂は噴水塔と同様、鈴木禎次工学士による設計、明治43年、第10回関西府県連合共進会で中心施設として演奏会が催されていました。その後昭和9年室戸台風により、取り壊され、現在と異なる奏楽堂が建てられ、平成9年に建築当初の姿に復元されました。

 

奏楽堂はイタリアルネッサンス風とされており、イオニア式(柱の頭部に渦巻き模様の装飾を左右につけたもの)の双子柱にドームを載せた出で立ちと、ルネッサンス様式の特徴があちこちに見られます。それに加え、柱の上の横材やドームのドーマー窓に渦巻きといった曲線が多く用いられ、アールヌーヴォーの特徴を持っています。

ちなみにアールヌーヴォーは、19世紀末、ベルギーやフランスといったヨーロッパで流行した、植物の蔓のようなデザインが特徴的な様式のことです。

 

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基壇の切石積みやその角の部分の装飾などもルネッサンス建築的に感じられます。また、屋根周りには竪琴の彫刻や写真では見えにくいのですが、よく見ると柱の頭部には桜の花びらの彫刻があしらっており、ちょっとしたモチーフが散りばめられています。

 

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ステージ周りには壇上に席が巡らされており、イベントごとが無い日でも、人々が思いおもいに過ごしています。

 

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時間の関係上、公園内の日本庭園など、まだ見学できていない場所がたくさんあるのげ心残りです。賑やかで心地良い、都会の中かの自然あふれる鶴舞公園。名古屋にまた訪れたら、ちょっと一休み、立ち寄りたいと思います。